半月板とは、膝関節ので大腿骨と脛骨と呼ばれるすねの骨の関節面に存在するCの型をした繊維状の軟骨のことです。
膝関節の内側と外側にそれぞれ一つずつあります。半月板は、関節に加わる体重の負荷を分散させる役割と、関節の位置を安定にする働きをしています。
半月板は、①外傷に起因するもの、②先天的な半月板の形状に起因するもの、③加齢変化に起因するものがあります。
外傷に起因するもの
日常生活において繰り返される軽微な外傷や、柔道やサッカーなどのスポーツ活動による捻りや強い衝撃により生じるものがあります。強い衝撃により生じた外傷では膝の前十字靭帯損傷を伴う場合があります。
先天的な半月板の形状に起因するもの
生まれつき半月板が大きく分厚いため関節の中で引っかかりやすい円板状半月と呼ばれる方は損傷をする可能性が高いです。
加齢変化に起因するもの
加齢により傷つきやすくなっている半月に微妙な外力が加わって損傷する場合(変性断裂)があります。
半月板損傷の分類
半月板の損傷の仕方にはいくつかの種類があり、分類分けをすることができます。
剥離損傷
半月板の付着部から剥がれるように損傷していく状態です。
縦断裂
半月板が縦方向に断裂した状態です。ひどい場合、バケツ柄状に離開してきます。
横断裂
半月板が横方向に断裂した状態です。
水平断裂
半月板が水平方向に断裂した状態です。
parrot beak断裂
半月板の横断裂と縦断裂が加わったように断裂した状態です。くちばし(=parrot beak)のような形と例えられています。
半月板損傷の症状
半月板損傷の症状として一般的なものは、膝関節の疼痛で、膝関節の可動域の制限、膝関節に水がたまる、大腿部の筋肉の萎縮などが多くみられます。また、程度が強い場合には痛みとともに膝の曲げ伸ばしの時にキャッチング(引っかかり感)が出現し、ひどい場合には急に膝が曲げも伸ばしもできなくなるロッキングという状態になり歩けなくなる程痛くなることがあります。また、関節の中で炎症を起こして出血して血液が溜まることもあります。
半月板損傷の検査法
徒手検査で膝関節を動かすことによって半月板損傷による疼痛を診る検査としてマックマレーテストとアプレー圧迫テストというものがあります。
マックマレーテスト
①患者はベッドに仰向けになります。
②術者は片方の手は膝関節の内側と外側の裂隙部を掴むように持ちます。もう片方の手はかかとの辺りを持ちます。
③術者は患側の膝関節を最大屈曲位から下腿に回旋ストレスを加えながら膝を伸展させます。
④この時に疼痛やクリックが誘発されれば陽性です。
⑤外側半月板損傷では下腿内旋で膝を伸展させるときに、内側半月板損傷では下腿外旋で膝を伸展させるときに疼痛やクリックが誘発されます。
アプレー圧迫テスト
①患者はベッドにうつ伏せになり受傷した側の膝を約90°曲げます。
②術者は患者の受傷した側の大腿に自身の膝を載せて固定します。
③術者は片方の手で下腿を持ち、もう片方の手で足の裏を持ちます。
④足部を押さえて膝を圧迫しながら下腿を回旋させ、膝の関節裂隙に疼痛が誘発されると陽性になります。
あくまでも簡易的な検査であり、疼痛を誘発するので繰り返し行うべきものではない為、心当たりのある方は一度医療機関を受診しMRIを受けていただくことをお勧めします。
半月板損傷の治療法
受傷した直後は所謂RICE処置をすることが重要になってきます。
・R: Rest(安静)
・I: Icing(冷却)
・C: Compression(圧迫)
・E: Elevation(挙上)
患部を安静に冷やして固定して心臓より高い位置に挙げる事で内出血や血腫の形成を緩やかにする目的で行います。
その後は手術をしない保存的治療か外科的治療をするかになりますが、当ブログでは保存的治療を深掘りしたいと思います。
保存的治療法
半月板損傷を起こすと、炎症によって膝関節の動きが鈍くなってしまったり、損傷によって組織同士が癒着して関節が動きづらくなったり、そうなると膝の曲げ伸ばしが困難になり、半月板損傷後の日常生活に支障が生じます。保存的治療の原則は、活動性の低下を含めた生活指導と膝まわりの筋肉の筋力増強を行いながら、日常生活やスポーツ活動に復帰させることです。
大腿四頭筋のトレーニング方法
①背もたれのある椅子に深く腰掛けます
②片足をゆっくり水平まで持ち上げます
③5秒間キープします(息を止めながらすると血圧があがりとても危険です)してください。
④ゆっくりと元に戻します
⑤これを互いに2〜3回繰り返します。
大腿四頭筋のトレーニング方法その2
①ベッドに仰向けになり、膝の裏に丸めたタオルを入れます。
②そのタオルを潰すように膝を伸ばします
③5秒間キープします(息を止めながらすると血圧があがりとても危険です)してください。
④ゆっくりと元に戻します
⑤これを互いに2〜3回繰り返します。
①足を伸ばして座り、かかとの下にタオルを置きます
②かかとをゆっくりとお尻に近づけて、できるだけ膝を曲げます(息を止めながらすると血圧があがりとても危険です)
③かかとをゆっくりお尻から遠ざけて、できるだけ膝を伸ばします(息を止めながらすると血圧があがりとても危険です)
④これを互いに2〜3回繰り返します。
大腿四頭筋(太もも)のストレッチ
①ベッド仰向けになり伸ばしたい足を曲げます。
②右側を伸ばしたい場合は右手で右足を引き上げ、右足のつま先をお尻の方へ引き寄せてください。(息を止めながらすると血圧があがりとても危険です)。
③そのまま10秒程キープします。
④反対側の足も同じようにストレッチします。
前脛骨筋(すね)のストレッチ
①立った姿勢で床に伸ばしたい足のつま先を引っかけてください。。
②足の甲に軽く体重をかけて足首を伸ばしていきます。(息を止めながらすると血圧があがりとても危険です)。
③そのまま10秒程キープします。
④反対側の足も同じようにストレッチします。
下腿三頭筋(ふくらはぎ)のストレッチ
①仰向けになり伸ばしたい足を上げます。
②タオルを伸ばしたい足にひっかけて下に引きます。(息を止めながらすると血圧があがりとても危険です)。
③そのまま10秒程キープします。
④反対側の足も同じようにストレッチします。
体重をかけられるような段階になってきたらウォーキングによるリハビリも重要になってきます。
ウォーキングによる全身運動により膝まわりの筋肉だけでなく全身の筋肉を使うことで少しずつ競技に復帰する体力作りになります。
①背筋を伸ばし、軽くお腹を引き締めて歩く。
②腕を足の動きに合わせて自然に振る。
③歩幅は、足を着地するときに膝が軽く曲がる程度にとる。
④拇趾(つま先)で地面を蹴る。
⑤かかとから着地する。
当院では、まずお話を伺った後に視診・触診・検査等を行い、その症状に合わせた治療を提案し、施術させて頂きます。
症状に合わせた治療を提案させて頂くのに以下の治療を中心に行っております。
1つ目は、筋肉に対して、刺激を与え、血流の流れを良くし、回復力を高めて上げる「筋治療」を施術します。
2つ目は、骨盤のゆがみを矯正し、身体のバランスを整え、神経・血流の流れを良くして、回復力を高める「骨盤矯正」を施術します。
当院では、アジャスターという器具を使用し、矯正するため、身体の負担を少ない状態で受けれるため、年齢問わず施術出来ます。
3つ目は、痛みが出ている場所のツボや治療点を見つけ、鍼をさして微電流を流すことによって血行を良くして筋の緊張を緩める「鍼治療」を施術します。また、鍼を刺すことで痛みを感じる限界値を上げて痛みを感じにくくなるように促します。
当院の鍼治療で使用する鍼は細い鍼を使用し、施術する為、少ない痛みで施術出来ます。
4つ目は、痛みがある部分に対して、より深い刺激を与えて、身体の回復力を高め、早く痛みを改善出来るようにする「超音波治療」を施術します。
こちらは「EU-910」という機械を使用して、施術します。
半月板損傷した時には
①RICE処置を行う。
②膝まわりの筋肉のトレーニングを行う。
③マッサージなどで膝まわりの筋肉を緩める。
④膝に負担のかからない体重管理。
をすることが重要になってきます。半月板損傷は強度の高いスポーツ活動をされている方なら誰でも起こりうることです。また、加齢変化によっても起こるリスクは高まります。軟骨は非常に血流分布が悪く再生能力に乏しいため、競技に復帰できるまでの状態になるまで時間がかかります。故に精神的に不安定に陥ることも多くなります。中・長期的に復帰までかかる事を理解したうえで自身で出来ることをコツコツと積み重ねることが必要になります。
ふじ接骨院・鍼灸院では、深谷市・籠原エリアを中心に、お客様一人一人に合わせた施術を心がけています。
スポーツをしていて起きてしまった外傷や交通事故での治療など幅広く対応させていただきます。
また日常で起こる肩や腰などの慢性的な痛みがある方もアットホームな雰囲気の当接骨院にぜひお気軽にご相談いただければと思います。
1986年6月24日 AB型
趣味:サッカー観戦、ゴルフ
資格:柔道整復師