そもそも「鵞足」と呼ばれる部位は、膝から5㎝程度足側に存在している脛骨という骨の内側部分に位置しており、一般的には縫工筋、半腱様筋、薄筋という三種類の筋肉に付着している腱がその脛骨にくっついている場所を指しています。
鵞足炎とは、この鵞足部位に強い炎症が起こっている状態のことを指し、鵞足炎を発症していると膝を曲げたり、股関節を閉じる動きにより慢性的に膝に痛みを覚えます。
本疾患は、膝を酷使するマラソンなどの走る系の一般アスリートや、それ以外でもトップアスリートなどプロスポーツ選手に生じやすいと言われております。打撲などの外傷を契機に発症する可能性も指摘されています。
日常生活でみられる原因は
鵞足炎の原因は、自分に見合っていない不適切なトレーニングをする、運動前にストレッチを怠る、急な坂道を急激に長時間走る、肥満体形で膝に負担が掛かりやすいなどが発症に関与していると考えられています。
他の疾患が原因となることも
滑液包炎
滑液包と言われる、通常関節の周囲にある関節の動きを滑らかにする役割を持ち少量の滑膜を含む袋があります。ここに度重なる圧迫や過剰な摩擦、打撲やねんざなどの外傷によって外傷性炎症を生じて、発症することが多いですが、リウマチの合併症や細菌感染によるものもまれにあります。
ガングリオン
関節包や腱鞘の変性が、主因となってできる仮性腫瘍であると考えられています。袋状になっており、内容は粘性の強い滑液と同様の液体でヒアルロン酸が多く含まれています。
滑液のある所すなわち関節、腱鞘の付近では何処でも出来る可能性があり手関節、指の付け根の腱鞘付近にできる場合が多く見られます。
骨軟骨腫
脛骨の膝の近くに骨軟骨腫、別名「外骨腫」とも呼ばれている骨腫瘍のなかで最も多い良性腫瘍が出来た場合も原因となります。本来と異なる部位に正常骨髄と連続した骨・軟骨が形成され、通常の骨の成長とともに角のように大きくなったもので、成長期の疾患です。基本的に良性病変のため、特に症状がなければ経過観察のみで、疼痛や見た目の問題があれば切除します。まれに本来の骨成長が止まっているはずの、30代以降で増大する骨軟骨腫は要注意であり、悪性転化の可能性があります(二次性軟骨肉腫)。
もし運動量を控えても痛みが長引くようならこれらの疾患が原因になっている場合もありますので、一度詳しい検査を受けることをオススメいたします。
基本的には鵞足炎は、スポーツにかかわる障害として代表的な疾患のひとつであり、その臨床的な特徴所見としては鵞足部への圧痛や、同部の動作時における疼痛症状が現れることでああります。
この疾患に罹患すると、初期では膝関節の内側部より5㎝ほど下方の部位に痛みを覚えて、その部位を押すと強い痛みを自覚します。また、運動時や階段昇降時に疼痛症状が悪化しやすく、更に病状が進行すると安静時にも同部位が疼くように痛みを感じることがあります。
鵞足炎の診断法
・ランニングやジョギング時に鵞足部周囲に疼痛がある。
・安静にしている時は痛みはない。
・鵞足部に圧痛や軽い腫脹がある。
・普通に膝を曲げただけではほとんど痛みがないが、力をこめて膝を曲げると鵞足部に痛みが出る。
これらに当てはまる場合は鵞足炎の可能性があります。ちなみにX線画像やMRI像では異常を示さないことが多く理学的所見が重要になります。
鵞足炎の治療法
痛みが強い場合は消炎鎮痛剤の投薬や局所安静が重要とされます。根本的な治療としてはオーバーユースによって引き起こされる事が多いので、運動量の調節や運動時のフォームの改良が重要になります。あとはマッサージやストレッチをして鵞足を構成する縫工筋、薄筋、半腱様筋の筋緊張をほぐすことが大事です。また、ウォーミングアップやクールダウンやアイシングをしてあげることも重要になります。
縫工筋
①ベッドの横に立ち、伸ばしたい方の足の膝をベッドに立てます。
②伸ばしたい足の足首を掴み、腰をゆっくりと内側に回します(息を止めながらすると血圧があがりとても危険です)。
③そのまま10秒程キープします。
④反対側の足も同じようにストレッチします。
半腱様筋
①あぐらをかいて床に座ります。
②ストレッチする方の足を伸ばし、もう片方はあぐらのままにします。
③その状態で体を前方にゆっくりと倒していきます(息を止めながらすると血圧があがりとても危険です)。
④そのまま10秒程キープします。
⑤反対側の足も同じようにストレッチします。
薄筋
①あぐらをかいて床に座ります。
②ストレッチする方の足を伸ばし、もう片方はあぐらのままにします。
③ストレッチする方の足先を出来るだけ地面にくっつけるように内側に倒します。
④その状態で体を前方にゆっくりと倒していきます(息を止めながらすると血圧があがりとても危険です)。
⑤そのまま10秒程キープします。
⑥反対側の足も同じようにストレッチします。
日頃、からだを動かしていない人がいきなり運動をすると、膝や関節がダメージを受けます。特に中高年の方が運動を始める場合、自分の年齢や体力に見合ったものを無理のない範囲で行うことが大切になってきます。
ウォーキングなら年齢や運動経験に関係なく、一人でも楽しみながらからだを動かせます。ウォーキングはからだに酸素を取り入れながら行う有酸素運動の代表格で、脂肪燃焼や筋力アップに役立ちます。大切な膝を守るためにもメタボ予防も重要です。まずは一日30分、週3日から始めてみましょう。
①背筋を伸ばし、軽くお腹を引き締めて歩く。
②腕を足の動きに合わせて自然に振る。
③歩幅は、足を着地するときに膝が軽く曲がる程度にとる。
④拇趾(つま先)で地面を蹴る。
⑤かかとから着地する。
当院では、まずお話を伺った後に視診・触診・検査等を行い、その症状に合わせた治療を提案し、施術させて頂きます。
症状に合わせた治療を提案させて頂くのに以下の治療を中心に行っております。
1つ目は、筋肉に対して、刺激を与え、血流の流れを良くし、回復力を高めて上げる「筋治療」を施術します。
2つ目は、骨盤のゆがみを矯正し、身体のバランスを整え、神経・血流の流れを良くして、回復力を高める「骨盤矯正」を施術します。
当院では、アジャスターという器具を使用し、矯正するため、身体の負担を少ない状態で受けれるため、年齢問わず施術出来ます。
3つ目は、痛みが出ている場所のツボや治療点を見つけ、鍼をさして微電流を流すことによって血行を良くして筋の緊張を緩める「鍼治療」を施術します。また、鍼を刺すことで痛みを感じる限界値を上げて痛みを感じにくくなるように促します。
当院の鍼治療で使用する鍼は細い鍼を使用し、施術する為、少ない痛みで施術出来ます。
4つ目は、痛みがある部分に対して、より深い刺激を与えて、身体の回復力を高め、早く痛みを改善出来るようにする「超音波治療」を施術します。
こちらは「EU-910」という機械を使用して、施術します。
鵞足炎を予防するためには、
①オーバーユースを防ぐために運動量や運動時の姿勢を見直す
②鵞足を構成する筋肉にストレッチを行う
③ウォーミングアップやアイシングなどを行う
④マッサージなどで筋肉を緩める
⑤膝に負担のかからない体重管理
をすることが重要になってきます。鵞足炎はスポーツによるオーバーユースが主な原因になってきますが、膝の曲げ伸ばしは何をするにしてもする動きになりますので、誰でも関係するものなので何事もケアが大事になります。
ふじ接骨院・鍼灸院では、深谷市・籠原エリアを中心に、お客様一人一人に合わせた施術を心がけています。
スポーツをしていて起きてしまった外傷や交通事故での治療など幅広く対応させていただきます。
また日常で起こる肩や腰などの慢性的な痛みがある方もアットホームな雰囲気の当接骨院にぜひお気軽にご相談いただければと思います。
1986年6月24日 AB型
趣味:サッカー観戦、ゴルフ
資格:柔道整復師