ベーカー嚢腫とは膝の裏にある関節液(滑液)という液体を含んだ滑液包が炎症を起こし膨らむものです。そもそも滑液包によって、膝の関節は身体の中でも最も負担がかかりやすく、その衝撃を吸収し摩擦を軽減する為存在します。
膝の裏側には小さい滑液包が複数あり、過剰な摩擦や圧迫が加わると炎症が起こり痛みを生じます。関節液の分泌量が多くなると、滑液包に過剰な関節液が溜ります。
太ももの後ろの内側の筋肉・半膜様筋部にある半膜様筋滑液包と、ふくらはぎの筋肉・腓腹筋の内側頭の間の腓腹筋内側滑液包によく発症します。
診断は基本的には膝関節の裏側が腫れているのが目視で確認できますが、関節リウマチや変形性膝関節症に付随して発症してくるので、それらの鑑別の為にも通常のX線(レントゲン)やMRI検査で確定診断します。
原因には、関節リウマチ、痛風、加齢による変形性膝関節症、鵞足炎、ランニングなどによる膝の使い過ぎや、体重増加などがあります。ただし、詳しい原因は不明な部分がある病気です。
悪性の腫瘤ではありませんが、中年の女性に多く発症します。しかしながら、ベーカー嚢腫は、原因が不明なこともあり、年齢に関係なく、誰でも起こる可能性があり。運動強度が高ければ子供も発症することもあります。
ベーカー嚢腫の状態による症状
初期
膝の裏が腫れたり、曲げたときに、なんとなく違和感や不快感を感じる程度のことが多くあります。この初期段階で終われば腫れが自然に小さくなることがあり、違和感が自然となくなることも少なくないです。
中期
さらに症状が進んで、膝の裏の腫れがニワトリの卵くらい大きくなると、膝を曲げようとした際や、正座をしようとしたときに、引っかかるような感じがして、姿勢を保てなくなります。
後期
さらに悪化すると、滑液を包んでいる袋が破裂することがあります。袋が破裂すると関節液が漏れでてきて、周りの組織が炎症を起こしてしまったりします。すると、膝の腫れがさらにひどくなったり、腫れが熱をもったり、痛くなったりします。またベーカー嚢腫の膨らみや破裂したベーカー嚢腫がまれに、膝の後ろを通っている膝窩静脈を圧迫するために、その静脈に実際に血栓性静脈炎を引き起こすことがあります。
ベーカー嚢腫の治療法
症状が強くない場合には基本的にはまず保存的治療を試みます。具体的には、冷やしたり、湿布などで炎症症状を抑えることが重要になってきます。また、袋の中に関節液がたくさんたまっているときは、注射器により関節液の吸引を行います。吸引を繰り返してもベーカー嚢腫が頻回にできてしまう際や、周囲の組織に炎症を伴うときはステロイド剤の注射を行うこともあります。
それでも症状が緩和されない場合には関節液が貯留している袋を取り出したり、関節から嚢腫へ関節液が漏れ出している穴を塞いだりといった外科的治療になります。
保存的治療法
ベーカー嚢腫を発症すると、始めは痛みもなく膝の違和感がある程度ですが、疼痛や肥大した嚢腫により膝関節の動きが鈍くなってしまったり、ひどい時には膝の曲げ伸ばしが困難になり、日常生活に支障が生じます。保存的治療の原則は、活動性の低下を含めた生活指導と膝まわりの筋肉の筋力増強を行いながら、日常生活やスポーツ活動に復帰させることです。
大腿四頭筋のトレーニング方法
①背もたれのある椅子に深く腰掛けます
②片足をゆっくり水平まで持ち上げます
③5秒間キープします(息を止めながらすると血圧があがりとても危険です)してください。
④ゆっくりと元に戻します
⑤これを互いに2〜3回繰り返します。
大腿四頭筋のトレーニング方法その2
①ベッドに仰向けになり、膝の裏に丸めたタオルを入れます。
②そのタオルを潰すように膝を伸ばします
③5秒間キープします(息を止めながらすると血圧があがりとても危険です)してください。
④ゆっくりと元に戻します
⑤これを互いに2〜3回繰り返します。
①足を伸ばして座り、かかとの下にタオルを置きます
②かかとをゆっくりとお尻に近づけて、できるだけ膝を曲げます(息を止めながらすると血圧があがりとても危険です)
③かかとをゆっくりお尻から遠ざけて、できるだけ膝を伸ばします(息を止めながらすると血圧があがりとても危険です)
④これを互いに2〜3回繰り返します。
縫工筋
①ベッドの横に立ち、伸ばしたい方の足の膝をベッドに立てます。
②伸ばしたい足の足首を掴み、腰をゆっくりと内側に回します(息を止めながらすると血圧があがりとても危険です)。
③そのまま10秒程キープします。
④反対側の足も同じようにストレッチします。
半腱様筋
①あぐらをかいて床に座ります。
②ストレッチする方の足を伸ばし、もう片方はあぐらのままにします。
③その状態で体を前方にゆっくりと倒していきます(息を止めながらすると血圧があがりとても危険です)。
④そのまま10秒程キープします。
⑤反対側の足も同じようにストレッチします。
薄筋
①あぐらをかいて床に座ります。
②ストレッチする方の足を伸ばし、もう片方はあぐらのままにします。
③ストレッチする方の足先を出来るだけ地面にくっつけるように内側に倒します。
④その状態で体を前方にゆっくりと倒していきます(息を止めながらすると血圧があがりとても危険です)。
⑤そのまま10秒程キープします。
⑥反対側の足も同じようにストレッチします。
下腿三頭筋(ふくらはぎ)
①仰向けになり伸ばしたい足を上げます。
②タオルを伸ばしたい足にひっかけて下に引きます。(息を止めながらすると血圧があがりとても危険です)。
③そのまま10秒程キープします。
④反対側の足も同じようにストレッチします。
日頃、からだを動かしていない人がいきなり運動をすると、膝や関節がダメージを受けます。特に中高年の方が運動を始める場合、自分の年齢や体力に見合ったものを無理のない範囲で行うことが大切になってきます。
ウォーキングなら年齢や運動経験に関係なく、一人でも楽しみながらからだを動かせます。ウォーキングはからだに酸素を取り入れながら行う有酸素運動の代表格で、脂肪燃焼や筋力アップに役立ちます。大切な膝を守るためにもメタボ予防も重要です。まずは一日30分、週3日から始めてみましょう。
①背筋を伸ばし、軽くお腹を引き締めて歩く。
②腕を足の動きに合わせて自然に振る。
③歩幅は、足を着地するときに膝が軽く曲がる程度にとる。
④拇趾(つま先)で地面を蹴る。
⑤かかとから着地する。
当院では、まずお話を伺った後に視診・触診・検査等を行い、その症状に合わせた治療を提案し、施術させて頂きます。
症状に合わせた治療を提案させて頂くのに以下の治療を中心に行っております。
1つ目は、筋肉に対して、刺激を与え、血流の流れを良くし、回復力を高めて上げる「筋治療」を施術します。
2つ目は、骨盤のゆがみを矯正し、身体のバランスを整え、神経・血流の流れを良くして、回復力を高める「骨盤矯正」を施術します。
当院では、アジャスターという器具を使用し、矯正するため、身体の負担を少ない状態で受けれるため、年齢問わず施術出来ます。
3つ目は、痛みが出ている場所のツボや治療点を見つけ、鍼をさして微電流を流すことによって血行を良くして筋の緊張を緩める「鍼治療」を施術します。また、鍼を刺すことで痛みを感じる限界値を上げて痛みを感じにくくなるように促します。
当院の鍼治療で使用する鍼は細い鍼を使用し、施術する為、少ない痛みで施術出来ます。
4つ目は、痛みがある部分に対して、より深い刺激を与えて、身体の回復力を高め、早く痛みを改善出来るようにする「超音波治療」を施術します。
こちらは「EU-910」という機械を使用して、施術します。
ベーカー嚢腫を発症した時には
①膝に負担のかかる活動を休止。
②膝まわりの筋肉のトレーニングを行う。
③マッサージなどで膝まわりの筋肉を緩める。
④膝に負担のかからない体重管理。
⑤ベーカー嚢腫の原因となる症状(関節リウマチや変形性膝関節症など)に付随して発症した場合はその治療を行う。
をすることが重要になってきます。ベーカー嚢腫は中年の女性に多くみられる症状です。しかし、原因が不明な部分があり個々の運動強度や関節の構造によっても発症頻度はかわるため注意が必要です。また、痛風や関節リウマチ、変形性膝関節症に付随して発症している方はそちらの治療を行いながらになるので、少し長く付き合っていく必要性があることを意識してください。
ふじ接骨院・鍼灸院では、深谷市・籠原エリアを中心に、お客様一人一人に合わせた施術を心がけています。
スポーツをしていて起きてしまった外傷や交通事故での治療など幅広く対応させていただきます。
また日常で起こる肩や腰などの慢性的な痛みがある方もアットホームな雰囲気の当接骨院にぜひお気軽にご相談いただければと思います。
1986年6月24日 AB型
趣味:サッカー観戦、ゴルフ
資格:柔道整復師